相続税は、相続人等(配偶者や子など)が死亡した人(被相続人)の財産を相続又は遺贈により取得した場合に、それらの財産をもとに課されます。
財産が親から子等に移るだけなのに税金がかかるのはなぜ?と疑問をもたれる方も多いと思いますが、これにはいくつかの理由が考えられます。大きく分けて以下の二つの理由があります。
亡くなった方が生前に受けた社会および経済上の要請に基づく税制上の特典、その他による負担の軽減などにより蓄積した財産を相続開始の時点で清算するといった機能。
相続によるいわば偶然の富の増加についてその一部を税として徴収することで、相続した者としなかった者との間の負担の均衡を図り、併せて富の過度の集中を抑制するといった機能。
そもそも個人が財産を無償で取得した場合は、その財産の増加によって所得が生じると考え所得税が課税されます。ただし相続、遺贈、贈与による財産の取得に対しては相続税、贈与税が課税されるため所得税は課税しない、という考え方があります。
このような理由により課される相続税。実際には次のように税額を計算します。
非常に複雑に見受けられます。これは遺産取得者間の税負担の公平をはかりつつ、仮装の遺産分割による相続税の回避を防ぎたいといった理由からもうけられた方法なのです。
相続に関する手続きとして、下記のようなものがあります。
手続きの種類 | 期限 | 手続き先 | 必要書類 | |
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死亡届 | 7日以内 | 被相続人の住所地の市区町村役場 | 死亡診断書または死体検案書 | |
遺言書の検認 | 相続後遅滞なく | 被相続人の住所地の家庭裁判所 | 遺言書原本遺言者の戸籍謄本相続人全員の戸籍謄本受遺者の戸籍謄本 | |
相続の放棄 | 3か月以内 | 被相続人の住所地の家庭裁判所 | 相続放棄申述書申述人及び被相続人の戸籍謄本 | |
所得税の申告 | 4か月以内 | 被相続人の住所地の税務署 | 確定申告書被相続人の所得税確定申告書付表 | |
相続税の申告 | 10か月以内 | 被相続人の住所地の税務署 | 相続税の申告書 | |
生命保険金の請求 | 2年以内 | 保険会社 |
生命保険請求書保健証券最後の保険料領収書受取人及び被相続人の戸籍謄本
死亡診断書 受取人の印鑑証明書 |
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財産の名義変更 | 不動産 | 遺産分割成立後 | 不動産の所在地の法務局(登記所) |
所有権移転の登記申請書被相続人及び相続人の戸籍謄本遺産分割協議書住民票
印鑑証明書 |
株式 | 遺産分割成立後 | 信託銀行、証券会社又は株式の発行法人 |
株式名義書換請求書株券被相続人および相続人の戸籍謄本遺産分割協議書
印鑑証明書 |
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預金 | 遺産分割成立後 | 預入金融機関 |
依頼書被相続人および相続人の戸籍謄本通帳相続人全員の印鑑証明書
遺産分割協議書 |
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自動車 | 遺産分割成立後 | 陸運局事務所 | 移転登録申請書自動車検査証被相続人および相続人の戸籍謄本自動車損額賠償責任保険証明書 |
実際に相続が発生した場合にあわてないためにも、事前に対策を考えておくことをおすすめします。相続財産の価額は、財産を取得した時の時価により評価します。特に土地については評価が複雑になる場合があります。シュミレーションいたしますのでお気軽にご相談ください。相続税の負担を少しでも軽くするための方法として、生前贈与が有効です。贈与により相続が開始する前に財産を移転しておくことで、相続税の課税価格を減らすことができます。いくつかの贈与の方法について紹介します。
この制度の適用を受けるためには、次の要件があります。
そして、一度この制度を選択すると、撤回はできません。その贈与者から贈与により取得する財産はすべて本制度の適用を受けることとなり、連年贈与も受けることができません。